「一見すると計画的な犯行に思えたが、焦りと油断が随所に見られた」。取材に応じた捜査関係者は、緊迫した捜査の裏側をそう振り返る。容疑者は警察の追跡をかわすため、複数の移動手段を乗り継ぎ、SNSの匿名アカウントを介して盗品の手放しを模索していた。
しかし、警視庁はサイバー捜査隊とタッグを組み、ネット上の不審な出品情報を24時間体制で監視。実店舗周辺での目撃情報とデジタル上のデータを突合させることで、男のアジトを絞り込んだ。表には出なかったこの密着追跡こそが、盗難品が市場に流出して散逸する前に全件を押収できた最大の要因だった。