合意形成に至ったはずの決定を、なぜわざわざ覆そうとする人が後を絶たないのか。心理学の視点からその心理パターンを分析すると、いくつかの明確な要因が浮かび上がってくる。
第一に挙げられるのが「認知の違和感」と「不完全燃焼感」だ。会議の場では周りの空気に流されて賛成票を投じたものの、一人になった途端に不安や不満が膨らみ、後から反論を投げかけてしまう。これは自尊心を守るための防御反応の一種でもある。第二に「承認欲求と支配権の誇示」だ。議論の決定プロセスに関与できなかったという疎外感から、過去のテーマを引っ張り出すことで存在感を示そうとする心理が働く。
さらに見逃せないのが、感情の処理能力に関する側面だ。論理的な対話ではなく、過去の相手の過失をカードとして保持し、現在の交渉を有利に進めようとする「過去の武器化」を行う人物も存在する。こうした心理が働くと、本来終わっていたはずの議論が再び複雑に絡み合い、泥沼化の一途を辿ることになる。