スマホの画面をスクロールする。流れてくるのは、15秒の切ないメロディ。今、Z世代を中心とした若いリスナーの間で、かつてのアルバム曲やシングルのカップリング曲が「エモすぎる」と大バズりしている。
かつてはCDを購入したファンだけが知る「隠れた名曲」だったものが、アルゴリズムの波に乗って瞬時に拡散される時代だ。イントロの一音、あるいはサビの最もエモーショナルな一節が切り取られ、失恋の思い出動画やイラストのBGMとして使用される。かつてのファンには懐かしく、今の若者には新鮮な「新しいレトロ」として、彼らの失恋ソングは消費され、同時に深く愛され続けている。