埼玉県に定着したパブリックイメージを語るうえで外せないのが、「ダサイタマ」という言葉の存在です。ダサイタマというフレーズの真相は、1980年代前半にタレントのタモリ氏がバラエティ番組やラジオで放った言葉が発端でした。当時、東京都心に憧れながらも微妙に垢抜けない若者文化やファッションをからかうジョークとして流行語になり、以降数十年にわたって埼玉のパブリックイメージを規定することになります。
このマイナスイメージを決定的なエンターテインメントへと昇華させたのが、魔夜峰央氏の原作を実写化した映画『翔んで埼玉』シリーズの社会現象です。「通行手形がないと東京に入れない」「埼玉県民にはそこらへんの草でも食わせておけ」といった徹底的なディスりは、全国的な大ヒットを記録しました。
埼玉ランキング最下位に対するネットの反応を見ても、他県のように激怒して抗議する声はほとんど見られません。「最下位こそがおいしいネタ」「ディスられてからが本番」と、自虐を軽やかに受け止めて笑いに変える独特のカルチャーが根付いています。最下位というネガティブな評価すらも県民自らがコンテンツとして消費する姿勢は、全国でも類を見ない埼玉固有の強みです。