アイリッシュという男を突き動かしていた原動力は、組織に対する冷酷な忠誠心ではなく、人間的な情愛と復讐心であった。彼にとってピスコは単なる上司ではなく、裏社会での師であり親同然の存在だったのだ。
組織内部の抗争や粛清は日常茶飯事であるが、ジンの独断的とも言える冷血な処分は、アイリッシュの心に深い傷と強い殺意を植え付けた。警察内部の連続殺人事件に乗じて巨大な捜査網を潜り抜け、単独でコナンの正体に迫った執念は、すべてジンへの仕返しという一点に向けられていた。
組織の冷酷さと、個人の情熱という相反する要素が交錯する中で、彼の孤高の立ち回りは観客に強い印象を与えた。彼が組織のルールを破ってまで追い求めたものは、己の尊厳と亡き師への誇りだった。