テーベッカライの影に隠れがちだが、同店の生菓子もまた至高の逸品揃いだ。その筆頭が、ウィーン菓子の王様と称される「ザッハトルテ」である。シャリッとした独特の食感を持つグラズーア(チョコレート糖衣)と、甘酸っぱいアプリコットジャム、そして軽やかな無糖の生クリーム(ホイップクリーム)が三位一体となり、本場ホテル・ザッハーを彷彿とさせる優雅な味わいを響かせる。
さらに見逃せないのが「アプフェルシュトゥルーデル」だ。極限まで薄く伸ばした生地で、シナモンとレーズン香るリンゴを幾重にも巻き上げて焼き上げる。フォークを入れた瞬間の繊細な生地の崩れと、凝縮されたリンゴのジューシーな酸味がたまらない。焼き菓子だけでなく、これら生ケーキの完成度の高さにこそ、マイスターの真骨頂が宿っている。