多くの読者が最も息を呑んだ疑問――「すずめは馬村と獅子尾のどっちを選んだのか」。結論から明かすと、与謝野すずめが最終回(第78話)で生涯のパートナーとして選んだ相手は、同級生の馬村大輝でした。
少女漫画の不文律において、物語序盤でヒロインと運命的な出会いを果たし、初恋を奪った「最初の男」が最終的な結ばれ相手になるケースが大半を占めます。本作においてそのポジションにいたのは、間違いなく担任教師の獅子尾五月でした。すずめにとって東京で迷子になった自分を救い出し、昼間に光る流星のような眩しさを教えてくれた存在こそが獅子尾でした。
しかし、物語終盤で運命の歯車は大きく旋回します。一度は教師という立場と世間体、すずめの未来を案じるあまり自ら突き放した獅子尾。彼が自分の過ちに気づき、病院の屋上で「すずめ、好きだ」と激情のままに本心を叫んだとき、すずめの心には別の感情が芽生えていました。
すずめが流した涙は、かつて憧れた恋への決別でした。彼女は獅子尾の手を握り返すことなく、「先生、ありがとう。好きになってよかった」と告げます。そして、彼女が走って向かった先は、水族館のベンチで静かに待っていた馬村の元でした。「馬村が好き。馬村の彼女になりたい」と涙ながらに告白し、二人が抱き合って結ばれるシーンで本編の幕は下りています。