駅前の変貌に対し、日々の暮らしやすさはどう変化しているのか。現地を歩いて実感するのは、都市機能と自然の驚くべき近接性だ。瀬野川の清流沿いには整備された遊歩道が広がり、夕暮れ時にはジョギングを楽しむ市民や犬の散歩をする家族連れの姿が絶えない。駅近のスーパーや商業施設も充実しており、生活必需品の調達に困る場面はまずない。
広島駅まで直通約9分という利便性は、広島市中心部へ通勤する子育て世代にとって最大の武器だ。通勤ストレスの少なさは、そのまま家族と過ごす時間のゆとりに直結する。一方で、古くからの密集市街地や細い路地が残るエリアでは、車のすれ違いに注意を要する箇所も少なくない。だが、これらも土地区画整理と連動して段階的な道路拡幅が進められており、防災面での脆弱性は急速に克服されつつある。
「昔は踏切渋滞で駅の反対側へ行くのも一苦労でしたが、工事が進むにつれて街の風通しが良くなっているのを実感します」と、駅前で長年飲食店を営む店主は語る。古き良き下町の温もりを残しながら、利便性と安全性が同時に底上げされている点こそ、この街が今まさに獲得しつつある真の強みといえる。