いま経営戦略や組織づくりの現場でオーガニズムの概念が熱い視線を浴びているのは、ビジネス環境の不確実性が極限まで高まっているためです。経営学の分野において、オーガニズムの生態系モデルを取り入れた形態を「有機的組織(Organic Organization)」と呼びます。
1960年代に経営学者トム・バーンズとG・M・ストーカーが提唱したこの概念は、トップダウンの指示系統に依存せず、現場のメンバーが状況に応じて柔軟に役割を変え、横の連携で自発的に意思決定を行う組織モデルを指します。あらかじめ定められた固定的なルールに縛られるのではなく、外部環境の急激な変化に応じて、まるで生き物のように組織全体の構造を組み替えていく柔軟性が最大の強みです。
激しい技術革新や市場ニーズの多様化が進む環境下では、中央集権的な指示を待つスピード感では間に合いません。環境変化を肌で感じた現場が即座に適応・行動できる有機的組織の設計が、企業の生存確率を大きく左右します。