対立の背景には、地理的・歴史的な文化の差が存在する。静岡市に位置する静岡キャンパスは、人文社会科学部や教育学部、理学部などを擁し、総合大学としての伝統と地域密着型の学術拠点を誇る。一方、浜松市に位置する浜松キャンパスは、旧制浜松高等工業学校をルーツに持ち、産業界との太いパイプを有する。
浜松キャンパスには、日本のテレビの父と称される高柳健次郎氏の革新スピリットが今も息づく。スピード感ある技術革新を重視する浜松の教員陣にとって、医療と工学の融合による産業創出は悲願だ。それに対して静岡側は、キャンパス機能の削ぎ落としや文系学部の空洞化に強い危機感を募らせる。このふたつのキャンパス間に横たわる「意識の温度差」こそが、再編問題の最大の障壁となっている。