チームが激動の過渡期を乗り越えるうえで、精神的支柱だった前キャプテン・古賀紗理那の存在はあまりに大きかった。コートの内外で仲間を鼓舞し続けた彼女の背中を、誰よりも間近で見てきたのが石川真佑だ。イタリア・セリエAでの武者修行を経て、いまや彼女は世界屈指のアウトサイドヒッターへと完全な脱皮を遂げている。
石川のスパイクは、もはやコースの巧みさだけに頼らない。ブロックの上から打ち抜く打点の高さと、吸い込まれるような鋭角インナーを打ち分ける技術。それに加えて、劣勢の局面で自らトスを呼び込む圧倒的なメンタリティが備わった。「重圧を楽しめるようになった」と笑うその瞳には、かつての大エースから受け継いだ日の丸の覚悟と、自らの力でチームを勝たせるという揺るぎない矜持が宿っている。