2015年1月、Amazon.co.jpの販売ページに「クラタス」が姿を現した日のことを覚えているだろうか。本体価格は1億2,000万円。しかも「関東への配送料 350円」というシュールな表記まで添えられていた。レビュー欄は即座にお祭り状態となり、「エアコンがオプションなのが残念」「スーパーの駐車場に入らない」といったジョーク投稿が殺到した。
では、実際にクレジットカードを決済して購入した人物はいたのか。取材を進めると、システム上の「注文ボタン」を押した者は複数存在したものの、一般的な個人クレジットカードの限度額を遙かに超える金額であったため、即時自動決済に至ったケースはゼロに等しい。しかし、海外のテック系億万長者やIT企業の経営者、さらにはイベント興行主から水道橋重工へ直接の購入打診や特注オファーが複数寄せられたのは事実である。一部の機体や派生パーツは展示・研究用として法人の手に渡っており、「個人がガレージに飾っている」という噂の裏には、こうした大口顧客の存在が見え隠れする。