なぜ埼玉県がこれほど多くのバレエコンクールを開催するのか。理由は複数ある。
第一に、地理的優位性だ。東京に隣接しながら、会場費や運営コストが比較的抑えられる。参加者にとっても、首都圏各地からアクセスしやすい。
第二に、県内に質の高いバレエスタジオが多数存在すること。埼玉県舞踊協会を中心とした組織的なネットワークが、長年にわたって舞踊文化を育ててきた。教師たちの指導レベルも高く、県内から多くの優秀なダンサーを輩出している。
第三に、県立音楽堂や彩の国さいたま芸術劇場といった、プロフェッショナルな舞台施設が整備されていること。音響、照明、舞台の広さ、客席の視認性、すべてが国際水準を満たしている。
コンクール文化が育む人材
埼玉のバレエコンクールから巣立ったダンサーたちは、国内外のバレエ団で活躍している。Kバレエカンパニー、新国立劇場バレエ団、東京バレエ団など、日本を代表するバレエ団にも埼玉出身者が多い。
海外留学組も少なくない。ロイヤル・バレエ・スクール、パリ・オペラ座バレエ学校、ワガノワ・バレエ・アカデミーなど、世界最高峰のバレエ教育機関に進む若手も年々増えている。