夏場の散歩において最大の盲点となるのが、大気中の気温と地表面温度の圧倒的なギャップです。直射日光下では、外気温が30度程度であっても、黒いアスファルトの表面温度は55度から60度以上にまで跳ね上がります。これは卵を落とせば徐々に白身が固まり始めるほどの高熱です。
さらに危険なのは、路面からの強い照り返しです。人間よりもはるかに地面に近い体高15〜30cm前後を歩く犬は、地表から立ち上る放射熱を全身で浴びることになります。この位置の体感温度は人間の頭上より5〜10度以上高い45度〜50度前後の猛烈な熱気に包まれている計算です。
犬は人間のように全身で汗をかいて体温を下げることができず、口呼吸(パンティング)のみで放熱を行います。高熱の路面を歩かせ続けると、呼吸による冷却機能が瞬時に追いつかなくなり、散歩開始からわずか10分足らずで犬が散歩中に熱中症を起こす危険な事態へと直結します。