地下空間のスペクタクルを体感した後に訪れたいのが、数百年を超える歴史と祈りが息づく名所です。
大谷石の岩窟にすっぽりと包まれるように建つ「大谷寺(おおやじ)」は、平安時代初期(弘法大師・空海による開基伝説を持つ)の歴史を誇る天台宗の名刹です。本堂内の凝灰岩の岩壁に直接彫り込まれた高さ約4メートルの千手観音立像(通称:大谷観音)は、日本最古の石仏(磨崖仏)として国の特別史跡および重要文化財に指定されています。岩肌と一体化した仏像群が放つ静謐なエネルギーは、見る者を深い感動へと誘います。敷地内の宝物館には、大谷岩陰遺跡から出土した約1万1000年前の縄文人の人骨も展示されており、太古からこの地が聖域であったことを物語っています。
大谷寺から徒歩数分の場所にある「大谷公園」にそびえ立つのが、高さ約27メートルの「平和観音」です。太平洋戦争の戦没者供養と世界平和を祈念し、昭和23年から約6年の歳月をかけて大谷石の採掘場跡の岩壁に手彫りで刻まれました。階段を上って観音像の背後まで行くと展望台があり、大谷町特有のゴツゴツとした奇岩群のパノラマを一望できます。