熱海の再生を語るうえで欠かせないのが、空き店舗を活用した若手起業家たちの参入だ。10年ほど前から始まったリノベーションまちづくりの動きは、2026年の今、すっかり街の生態系として根付いている。
かつて果物屋だった木造店舗は、静岡県産の抹茶と伊豆産牛乳を使った濃厚なジェラート専門店へと生まれ変わった。また、半世紀以上歴史を重ねた喫茶店の居抜き物件には、夜になると地元クラフトビールを提供する立ち飲みスタンドがオープンする。店主たちのネットワークは強固で、お互いの店舗をお客に紹介し合う循環が日常的に行われている。
挑戦を温かく受け入れる地元の重鎮たちと、アイデアと行動力で飛び込む移住者たち。この風通しの良い人間関係が、商店街全体のアイデアの鮮度を保ち続けているのだ。