銭湯をめぐる環境は、決して平坦な道のりばかりではなかった。燃料費の高騰や後継者不足など、全国の公衆浴場が直面する課題は深刻だ。しかし、そうした逆風の中で、東京都公衆浴場業生活衛生同業組合をはじめとする地域組織や、全国浴場組合が手を取り合い、新しい価値の創造に向けた改革を進めている。
若い世代や外国人観光客に向けたマナー講座の実施、デジタルスタンプラリーの導入、異業種コラボレーションイベントの開催など、従来の銭湯の枠組みにとらわれない柔軟な試みが各地で結実している。かつて「街の日常」だった空間は今や、世代や国籍を超えて人が集うカルチャーの発信拠点へと進化を遂げた。