なぜ、現代人はこれほどまでに勉強に取りかかれないのか。最大の要因は、私たちの脳環境が劇的に変化したことにある。超高精細な動画コンテンツ、絶え間なく押し寄せるSNSの通知、AIツールによる情報処理の高速化。脳の報酬系回路は、かつてない強度のドパミン刺激に常に晒されている。
刺激に麻痺した脳にとって、静かにテキストを開き、ノートにペンを走らせる作業は「極度の退屈」と認識される。ドパミン受容体が磨耗しているのだ。やる気が出ないのは、脳がこれ以上の情報過多を防ごうと発令した「省エネモード」に過ぎない。この状態の脳に根性論で挑むのは、ガソリン切れの車にムチを打つようなものだ。