なぜ、これほど上質な魚介を信じられない価格で提供できるのか。その理由は極めて明快だ。この店を手掛けているのは、金沢港仲買人としての顔を持つ卸業者である。毎朝、金沢市中央卸売市場に水揚げされる膨大な魚介の中から、プロの厳しい目利きによって最高鮮度の魚が競り落とされ、その日のうちに店舗へと直送される。
中間マージンを極限まで削ぎ落とし、流通の無駄を徹底的に排除した仕入れ体制。これが他店の追随を許さないコストパフォーマンスの源泉だ。一般的な外食産業の常識からすれば、原価率の設定は破格の一言に尽きる。鮮度が落ちる前に売り切るという潔い回転率が、常に獲れたてピチピチの魚を皿の上に並べることを可能にしている。
冬の寒ブリ、春のサヨリ、夏の岩ガキ、秋の底引き網漁で揚がる甘エビやガスエビ。四季折々の日本海の鼓動が、市場の競り場から客の目の前へとダイレクトに繋がっているのだ。