肩幅を広く見せるための最大の盲点は、「肩だけを鍛えても理想の体型にはならない」という点です。人体のアウトラインは常に比率(プロポーション)として脳に認識されます。どれほど肩を鍛えても、胴体が寸胴であれば肩幅は強調されません。そこで不可欠となるのが、広背筋と肩幅の関係を熟知したボディメイキングです。
広背筋の上部および外側部が大きく発達すると、脇の下から腰にかけて美しいV字ラインが形成されます。このラインが存在することで、人間の視線はウエストのくびれから肩先へと自然に誘導され、実際の計測値以上の広がりを感じる「錯視効果(ミュラー・リヤー錯視に類似した幾何学的錯覚)」が発生します。これこそが、洗練された逆三角形ボディの作り方の核心です。
広背筋を拡げる上で、王道かつ絶大な威力を誇るのが懸垂チンニング効果です。ワイドグリップで行うプルアップは、大円筋と広背筋上部をダイレクトに刺激し、脇の下の「羽」と呼ばれる広がりを急速に発達させます。背中の幅を広げつつ、三角筋のピークを高くすることで、正面・背面・斜めのあらゆる角度から見ても立体的なワイドフレームが完成します。