神前結婚式で行われる三々九度は、単にお酒を酌み交わす場ではなく、神前にて夫婦の契りを結び、両家の結びつきを神に誓う「誓杯の儀」としての崇高な意義を持っています。
その歴史的なルーツは、室町時代の武家礼法(小笠原流や伊勢流など)にまで遡ります。武士が出陣や祝宴の際に行っていた「三献の礼(酒と肴を3回にわたって交互に口にする儀礼礼法)」が婚礼の儀礼に取り入れられ、江戸時代の武家婚礼を経て庶民へと広まりました。明治33年(1900年)、大正天皇のご成婚を契機に神前結婚式の形式が確立され、現代に受け継がれています。
「三々九度」という数字には、古代中国から伝わる陰陽道の思想が反映されています。陰陽道では奇数は縁起の良い「陽の数」とされ、中でも「三」は吉祥の数字、「九」は陽の数が極まった最高のおめでたい数字とされてきました。「三段の盃でそれぞれ三度ずつ、計九回杯を交わす」ことで、これ以上ない幸福と永遠の繁栄を祈る意味が込められています。