社会の意識を変えるためには、良質なコンテンツの力が欠かせない。近年、NHKなどの公共放送による深掘り報道や、Netflixをはじめとする世界的ストリーミングサービスにおける社会問題ドキュメンタリーの増加は、LGBTQ+をめぐる社会の理解を飛躍的に深めた。増原氏自身も数多くのメディア出演や監修を通じて、複雑な権利問題や当事者のリアルな生活事情を分かりやすく言葉にしてきた。
エンターテインメントやドキュメンタリーが持つ「他者への共感を生む力」は計り知れない。画面の向こうにいる実在の人物として当事者の苦悩や喜びに触れることで、これまで関心を持たなかった層が社会課題を「自分事」として捉え直すようになる。マスメディアの信頼感と配信プラットフォームのグローバルな波及力。その双方を活用した情報発信は、偏見や無理解という見えない壁を崩す強力なツールとなっている。