かつて外務省の北米局北米第一課に在籍していた時代、若きキャリア官僚として深夜まで激務を追う姿は、いまも当時の関係者の間で語り草となっている。経済摩擦が深刻化していた日米関係の最前線で、類稀な語学力だけでなく精緻な分析力をもって尽力された日々。会議の席で見せる鋭い洞察と、同僚に向ける温かな配慮の双方を備えた姿勢は、当時から卓越していた。
皇室入りという人生の大きな転換期において、自己のキャリアと新たなご公務の間で様々な葛藤が生じたことは想像に難くない。しかし、雅子皇后となられた現在、その卓越した国際感覚は失われることなく、むしろ日本と世界を結ぶ揺るぎない架け橋として静かに花開いている。