受話器越しの音は、時にエンターテインメントや社会プロジェクトのモチーフにもなる。緊急通報オペレーターと殺人鬼の攻防を描いたハリウッドのサイコスリラー映画『ザ・コール』では、電話音や保留時の緊張感が視聴者の恐怖と焦燥感を増幅させる演出として効果的に使われた。
一方で、英国トラッドの伝統を現代に蘇らせる『グリーンスリーブス』音源プロジェクトのように、郷愁を誘う旋律を最新のハイレゾ音源へとブラッシュアップする試みも活発だ。映画のサスペンス的演出とは対照的に、懐かしいメロディがもたらすノスタルジーは、待機中の顧客を穏やかな気持ちへと包み込む。