1985年にリリースされたシングル『卒業』は、当時の日本音楽業界全体に激震を走らせた。「支配からの卒業」という力強いフレーズは、学校教育や社会システムに対する若者たちの鬱屈とした感情に直接火をつけた。過度なテレビ露出を行わないスタイルでありながら、曲は口コミとラジオを通じて全国の若者へ爆発的に広がっていった。
当時の日本のロックシーンにおける反逆は、どこかスタイルやポーズとしての側面が強かった。しかし彼の歌う言葉には、生々しい血の通ったリアリティが存在していた。単にルールを破ることを煽るのではなく、抑圧された自己をいかに解放し、自立した個人として生きるかという根源的な問いを突きつけたのだ。この楽曲によって、ロックは単なる若者の娯楽から、生き方そのものを問う文化へと引き上げられた。