ママゴンという表象は、昭和から平成初期にかけての漫画、アニメ、テレビドラマなどのポップカルチャーに決定的な影響を与えた。それらは笑いを生むコミカルなキャラクターとして描かれる一方で、どこか冷酷な社会の縮図としても機能していた。
昭和・平成の漫画やアニメに投影された強烈な母親像
例えば、国民的アニメ『ドラえもん』に登場するのび太のママ(野比玉子)の描写を思い出してほしい。テストの点数で子供を激しく叱り飛ばし、勉強を強制するシーンは作品の定番だ。また、『サザエさん』や『クレヨンしんちゃん』など、多くの家庭アニメにおいて「怒ると手がつけられない母親」という記号は広く共有された。
ギャグアニメの枠組みの中で消化されつつも、子供読者・視聴者にとってこれらの母親像は、日常のリアルな恐怖と隣り合わせのものだった。
昭和のテレビCMと流行語の定着
テレビCMやバラエティ番組もママゴン現象を拡大させた。学習用具や食品のコマーシャルにおいて、子供を厳しく監視する母親キャラクターが相次いで登場。視聴者はそこに自分の家庭の姿を見出し、苦笑しながらも受け入れていった。こうしてママゴンは、日本全国で誰もが知る「共有されたステレオタイプ」となったのである。