スポーツ界全体を見渡すと、サッカーにおけるビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)など、判定のテクノロジー介入は世界的な潮流だ。しかし、流動的で時計が止まらないサッカーに対し、プロ野球は「プレーごとに完全に時間が分断される」という構造的特徴を持つ。
野球における検証は、試合の流れを意図的にストップさせるため、長時間の検証は投手の肩を冷やし、観客の集中力を削ぐリスクを孕む。だからこそNPBでは、検証作業の迅速化が常に求められてきた。判断の正確性と試合のテンポ。この二律背反する課題をいかに高いレベルで両立させるかが、今後の制度運用における最大の焦点となっている。