歌声合成の潮流は、従来のVOCALOIDエンジンにとどまらず、深層学習(ディープラーニング)を用いたAI技術によって劇的な変革期を迎えています。その中心地となっているのが、Dreamtonics社が開発するSynthesizer V 男性音源の台頭です。
Synthesizer VのAI音源(Ryo、Kevin、Haydenなど)は、人間の歌唱における微妙なピッチの揺らぎや息の混じり方、子音のアタック感を極めて自然に再現します。従来のVOCALOID特有の電子的な質感を好むクリエイターがいる一方で、生歌と聴き分けがつかないレベルのリアルな歌唱表現を求めるプロの作曲家たちが、こぞって男性AI音源を導入しています。
VOCALOID6エンジンにおいてもAI音声モデルが標準搭載され、クリエイターは「ロボット的な魅力を持つ伝統的ボカロ」と「生々しい情感を宿す最新AIシンガー」を楽曲のジャンルに合わせて自在に使い分ける時代となりました。男性ボーカル曲の表現域はかつてないほど拡張され、ジャンルの枠を超えた新しいサウンドが生み出され続けています。