エアコンをつけると喉がイガイガする、あるいは咳が止まらなくなるといった経験はないでしょうか。エアコン内部で繁殖するカビの多くは、「クラドスポリウム(黒カビ)」や「アスペルギルス(コウジカビの一種)」です。これらが吹き出し口から室内に飛散し、呼吸器を通じて吸い込まれ続けることで、人体に深刻なアレルギー反応や疾患を引き起こすことが医療機関の調査でも明らかになっています。
特に警戒すべきは「夏型過敏性肺炎」と呼ばれるアレルギー性肺炎です。エアコンや住居内に潜むトリコスポロンなどのカビ胞子を繰り返し吸い込むことで発症し、夏場に発熱や激しい咳、息切れが生じます。放置して重症化すると肺が線維化し、呼吸機能に後遺症が残る恐れもあります。また、小児喘息の悪化やアトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎の主因にもなり得ます。
カビが発生する根本条件は「湿度70%以上」「温度20〜30℃」「ホコリや皮脂などの栄養源」の3つが揃うことです。冷房運転中のエアコン内部は、空気を冷やす熱交換器(アルミフィン)が氷水のように冷え、空気中の水分が凝縮して大量の結露水が発生します。この高湿度環境に、吸気口から吸い込まれた室内のハウスダストが付着することで、わずか数日から数週間で目に見えるカビへと成長してしまうのです。