2019年の騒乱から時を経た現在、あいちトリエンナーレは「国際芸術祭あいち」と名称を改め、組織体制やリスクマネジメントの再構築を進めています。
司法の場においては「表現の自由の優位性」と「行政の恣意的介入の違法性」が確認されたものの、現実の現場においては依然として深い爪痕が残っています。自治体が主催または助成する芸術祭において、政治的に物議を醸す作品の選定を避ける「事前の自己規制」や「委縮効果」が少なからず浸透しているとの指摘も絶えません。
公権力による検閲を退けた法的な勝利の一方で、「批判の自由」と「威嚇・脅迫による言論封殺」をどう峻別し、公金を使う文化事業で多様な価値観をどう守り抜くかという難題は、今なお日本の民主主義社会に重く横たわっています。