この唯一無二の世界観を築き上げたのは、オーナーでありプロデューサーの車田篤氏だ。彼が率いる株式会社LDFSは、単に飲食店を経営しているのではない。彼らが創出しているのは、アメリカ各地を旅して肌で吸収したリアルな空気感、すなわち色褪せないアメリカンダイナーカルチャーの再構築だ。
店内に配された50s〜70sのミッドセンチュリー家具、壁に飾られたアンティークのポスター、カウンター越しに見えるダイナーマグ。すべてが計算し尽くされた車田氏の審美眼によってセレクトされている。形骸化した「レトロ風」のギミックとは一線を画す、本物のヴィンテージが放つ質感。料理を口にする前からすでにアメリカのロードサイドへトリップしたかのような高揚感に包まれる仕掛けが、空間の隅々にまで張り巡らされている。