『ウィ・アー・ザ・ワールド』のクライマックス、ボーカルパートが目まぐるしく入れ替わるブリッジ部分で、シンディ・ローパーの真骨頂が炸裂した。スコアに書かれた音符を遥かに超えて、彼女は全身全霊のハイトーンとシャウトを叩きつけた。その圧倒的な声量と予測不能のアドリブに、周囲で見守っていた巨匠たちも息をのんだ。
スタジオ内でその歌声を聴いていたマイケル・ジャクソンやライオネル・リッチー、そして全体を統率するクインシー・ジョーンズも、彼女が引き起こしたアドリブ旋風に圧倒されたという。感情をそのまま声へと変換する彼女の歌唱は、楽曲に熱い血を通わせ、感動のボルテージを最高潮へと押し上げた。まさに時代を超えて語り継がれる奇跡のテイクとなったのだ。