アセクシュアルの当事者が直面しやすいのが、アマトノーマティビティ(恋愛至上主義・恋愛伴侶規範)による生きづらさです。「恋人がいてこそ一人前」「良い人に出会えば考えが変わるはず」といった周囲の無邪気な言葉が、当事者を深く傷つけることがあります。
カミングアウトの経緯においても、勇気を出して打ち明けた相手から「ただの奥手」「トラウマのせいでは」と受け流され、二重の孤立感を味わうケースは少なくありません。そのため、あえて身近な人には公表せず、信頼できるコミュニティやネット上だけでありのままの自分を表現する人も多数存在します。
一方で、著名な芸能人やインフルエンサー、小説家などが自身のセクシャリティをオープンに語る機会が増加しました。ドラマや小説の題材としてもアセクシュアルやアロマンティックが誠実に描かれるようになり、「自分はおかしくなかった」と安心感を得る読者・視聴者が確実に広がっています。