組織の起源を辿ると、1946年に創設者である上島鉄(うえしま てつ)によって開始された生活改善運動に行き着く。終戦直後の混乱期、崩壊した社会道徳の再建を掲げてスタートしたこの活動は、1953年に「社団法人実践倫理宏正会」として認可され、現在は一般社団法人実践倫理宏正会として運営されている。公益性を前面に押し出した社会教育事業としての看板が、長年にわたり信頼の盾となってきた。
創設者の死後、組織の権力構造は一族への継承という形を辿る。上島鉄の妻であった上島香代(うえしま かよ)をはじめとする指導層へのカリスマ的依存が強まり、時代の変化とともに当初の「生活倫理の実践」という理念は、強固な組織防衛と会員維持のシステムへと変質していったと指摘される。
創始者ファミリーを頂点とした一糸乱れぬピラミッド型組織。トップの指示が末端の地区会館まで一気に伝達される構造が、勧誘の過激化や組織的な集客行動を裏から支えているのである。