今や主役級として君臨する大スターたちの中にも、駆け出しの時代に死体役を演じた経験を持つ役者は少なくありません。芸能界において、有名俳優の下積み死体役は演技の基礎を学び、現場の信頼を勝ち取るための重要な登竜門として機能してきました。
日本のベテランバイプレイヤーたちも、若手時代には「2時間ドラマの最初の5分で殺される役」や「刑事たちに囲まれるブルーシートの下の遺体」を数多く経験しています。セリフで自分をアピールできない分、監督の「動くな」という要求に完璧に応え、現場の進行をスムーズに助ける姿勢が、プロデューサーや助監督の目に留まるきっかけとなりました。
「死体役をきっちり務め上げて初めて一人前」という職人気質の風土が残る現場も多く、名もなき死体としての経験が、後の豊かな表現力を生み出す礎となっています。