レシピを見ていて混乱する最大の原因は、「グラム(g=質量)」と「ミリリットル(ml=体積)」の混同にある。この二者を結びつける鍵が「比重(密度)」だ。
文部科学省が公表している「日本食品標準成分表」によれば、食品の成分や水分量、脂肪分によって比重は細かく分類されている。例えば、砂糖(上白糖)は大さじ1杯で約9gしかない。空気を含みやすく、結晶の隙間が広いためだ。一方、塩や醤油は水よりも比重が重く、大さじ1杯で約18gに達する。つまり、同じ「大さじ1杯」であっても、砂糖と塩では重量が2倍も違うのだ。
製菓・調理科学の分野では、この比重の差が仕上がりに決定的な影響を与えると指摘される。特にスポンジケーキや焼き菓子などの製菓分野では、数グラムの誤差が膨らみ具合や水分保持力、食感を大きく左右する。大さじの杯数に頼る「体積計量」と、はかりを使う「重量計量」の違いを理解することが、脱・料理初心者への第一歩といえる。