一方、通貨ペアのもう片方である「円」の動向を決めるのが日本銀行の足取りだ。植田和男総裁のもとで進められる金融政策の正常化プロセスは、長年続いた超低金利環境に終止符を打ち、クロス円全体に激震を与え続けている。
国内の賃金上昇と物価の好循環を確認しながら、日銀が追加利上げや国債買い入れ減額のカードを切るたび、グローバルな金融市場ではキャリートレードの巻き戻しが発生する。豪ドルと円の金利差縮小が意識されれば、それまで堅調だった豪ドル円の上昇トレンドが一変し、急激な円高局面へ突入するリスクを常に孕んでいる。
日銀のタカ派シフトとRBAの慎重姿勢が交錯するポイントこそ、豪ドル円の長期的なトレンド転換点となる。金利差という巨大な構造変化を無視して短期の値動きだけに翻弄されれば、相場の波に飲み込まれることになりかねない。