事態が広く知れ渡る決定打となったのは、スマートフォンのカメラが捉えた無数の映像だった。X(旧Twitter)やYouTubeには、飲食店の看板裏を跳ね回る無数の群れや、テイクアウト店の軒先で残飯を漁る姿を収めたショート動画が連日のように投稿されている。ABEMA(AbemaNews)が特集を組み、かつてNHKの『クローズアップ現代』やフジテレビの『ザ・ノンフィクション』が歓楽街の光と影を鋭く切り取ったように、現代のメディア空間でも歌舞伎町の路地裏で起きている異変がセンセーショナルに報じられた。
だが、なぜこれほどまでに爆発的な増殖を許してしまったのか。背景には、都市構造の激変と人流の急回復が複雑に絡み合っている。街がかつての賑わいを取り戻すにつれ、外食需要は一気に沸騰。それに伴い、夜間から早朝にかけて排出される生ゴミの量が激増した。さらに、周辺エリアで進む大規模な再開発工事によって古い建造物が次々と解体され、それまで地下や壁の奥深くに潜んでいた個体群が居場所を追われ、餌が無限に湧き出す歌舞伎町の路地裏へと一斉に押し寄せたのである。