今回の見直しで最大の焦点となったのが、発令の引き金を引く「数値基準の多層化」である。従来は重症病床の使用率が単一の絶対的な指標として扱われがちだったが、新たなガイドラインでは複数の要素を複合的にスコアリングするアルゴリズムが採用された。
基本的対処方針分科会での議論を経て固められた新指標は、以下の3つの柱で構成されている。
第一に、重症病床使用率が50%を超え、かつ重症化リスクの高い高齢者施設等でのクラスター発生率が前週比で急増していること。第二に、救急搬送困難事案の発生件数が直近ピーク時の水準に達していること。そして第三に、下水サーベイランス(下水中のウイルス量モニタリング)によって地域内での感染爆発の兆候が事前に検知されていることだ。
対象地域の選定についても、都道府県単位という大括りの指定ではなく、医療圏や生活圏に応じた「局所的指定」が可能となる仕組みへ改められた。感染が特定都市部に集中している場合、同一県内であっても影響の少ない郡部を対象外とすることで、地域経済への無用なダメージを最小限に抑える狙いがある。