Wi-Fiルーターを壁際に置くと遅い?電波遮断の真相と壁掛け裏ワザ

Wi-Fiルーターを壁際に置くと遅い?電波遮断の真相と壁掛け裏ワザ

Wi-Fiルーターを壁際に置くと遅い?電波遮断の真相と壁掛け裏ワザについて専門的な視点から解説いたします。専門家の見解をチェックしてください。

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「部屋をすっきり見せたい」「コンセントが近いから」という理由で、コンセント脇の壁に密接させてルーターを置く家庭は全体の6割を超えます。しかし、一般的な家庭用Wi-Fiルーターの内蔵アンテナは、機器を中心に360度全方位へドーナツ状(球状)に電波を放射する無指向性を採用しています。ルーターを壁の至近距離に配置した瞬間、放出された電波の半分は生活空間ではなく、背後の壁へと直接照射されることになります。

壁に電波が当たった際に起きる物理現象は、大きく分けて「吸収(誘電損失)」と「反射」の2つです。電波エネルギーの一部は壁材の内部を通過する際に熱エネルギーへ変換されて急激に失われ、残りは室内へ跳ね返ります。この跳ね返った反射波が厄介な問題を引き起こします。ルーターからスマートフォンへ直接飛んでくる直進波と、壁に跳ね返ってわずかに遅れて届く反射波が空中で衝突し、位相が逆転することで互いの波を打ち消しあうマルチパス干渉(フェージング現象)が発生するのです。この干渉が起きると、通信パケットの欠損による再送処理が頻発し、見かけのアンテナピクトが立っていても実効通信速度が著しく低下します。

さらに物理的な熱の問題も見逃せません。多くのルーターは自然空冷設計となっており、底面や背面のスリットから吸気して上部へ熱を逃がす煙突効果で基板を冷却しています。壁にぴったり密着させると空気の流路が塞がれ、内部温度が60度近くまで上昇することがあります。ルーターのCPUが高熱から基板を守るために自らクロック数を落とすサーマルスロットリングが作動し、通信処理性能が半減することも、壁際設置が引き起こす隠れた速度低下要因となっています。

井上 凛
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井上 凛

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。