母親が身の回りの管理や手続き、あるいは感情のコントロールを自力で行えない場合、そのしわ寄せはダイレクトに子どもへと向かう。生活全般の世話やきょうだいの面倒、母親の心理的フォローを幼少期から担わされる実態は、紛れもなくヤングケアラーの構造そのものだ。
厚生労働省の追跡調査や国立精神・神経医療研究センターの研究データでも、未診断の発達障害を抱える保護者のもとで、実質的なケア責任を負わされている子どもの存在が浮き彫りになりつつある。家事の代行にとどまらない「感情のケア労働」は、子どもの学業や進路選択の機会を奪う重大な社会問題として認識され始めている。