多くのファンに惜しまれながら営業終了を迎えた最大の要因は、「エンタメ体験施設としてのスポット需要」と「月額制フィットネスジムとしての継続性」のビジネスモデルの乖離にありました。
オープン当初は「ONE PIECEの世界でトレーニングができる」という唯一無二のコンセプトが功を奏し、全国から熱心なファンが体験取材やビジター利用に殺到しました。しかし、ジムビジネスの収益基盤は「毎月会費を支払い、日常的に通い続ける固定会員」です。作品ファン層の多くにとって、渋谷のジムへ毎週定期的に通うハードルは高く、1〜2回の来訪で満足してしまう「聖地巡礼」型の利用が中心となってしまいました。
さらに、渋谷・神南という屈指の超一等地に構えた大型店舗のテナント料、公式IPの監修・ライセンス維持費、独自開発された特殊マシンのメンテナンスコストが重くのしかかりました。近隣に24時間型格安ジムやパーソナルジムが乱立する激戦区において、月額2万円前後の高価格帯を維持しながら会員数を伸ばし続けることは極めて困難であり、当初の計画契約期間の満了に伴いプロジェクトをクローズする経営判断が下されました。