『リング』や『呪怨』に代表されるJホラーの伝統的文脈に対し、映画『来る』はサイコホラーと娯楽大作を融合させた新たなブレイクスルーとなった。単に恐怖を与えるだけでなく、社会問題や人間関係の歪みを鮮烈に描き出す手法は、日本の映画産業全体に大きなインパクトを与えた。
メジャーな配給・制作体制でありながら、R15+指定の表現を恐れずに尖りきったエッジを提示した姿勢は、その後の邦画ホラーの制作方針にも多大な影響を及ぼしている。安易な脅かし演出に頼らず、人間性のダークサイドを暴き立てる演出美学は、国内外のクリエイターからも高く評価されている。