2026年の今、事態は新たな局面を迎えている。YouTubeのトゥルー・クライム(実在犯罪)解説チャンネルやTikTokの短尺ドキュメンタリーが世界的な潮流となる中、日本の平成初期・中期の犯罪アーカイブが若者たちの間で空前の消費対象となっている。リアルタイムで事件を知らない10代〜20代にとって、2006年の事件は映画やフィクションのように「鑑賞」される対象へ変貌しつつある。
「卒アルの寄せ書きがヤバすぎる」「加害者の過去が闇深い」といったキャッチーなテロップとともに、AIで高画質化されたアルバム写真がスマートフォン画面に表示される。20年の時を経てデジタル空間で再解凍される記憶。それは歴史の教訓としての検証ではなく、手軽なスリルと娯楽としてネットを再漂流している。