過酷な現場の裏側で、持続可能な漁業の模索も続いている。アラスカ水産狩猟局は、最新の科学的データに基づいて厳密な資源管理を行っており、カニの生息数調査結果に応じて解禁期間や上限量をミリ単位で設定する。海洋環境の変化によって特定の海域でカニの群れが急減した際には、シーズンの全面禁止という苦渋の決断を下すことも珍しくない。
アラスカ州にとって、北方の豊かな海がもたらす水産業は地域経済の骨格そのものだ。生態系破壊を防ぎつつ伝統的な産業を守るため、行政と漁業者間の攻防は毎年緊迫した打合せを経て行われる。密漁の監視体制も強化されており、ハイテク機器を駆使した哨戒活動が常時実施されている。自然の恵みを享受するためには、厳しいルールと自然への畏敬の念が不可欠なのだ。