日本では同性婚が法制化されていない。各地で同性パートナーシップ制度は広がっているが、婚姻とは異なる。相続、税制、在留資格、共同親権、医療判断など、多くの場面で法的な差が残る。高齢ゲイ男性にとって、この差は老後の安心に直結する。
長く一緒に暮らしてきた同性パートナーがいても、法律上は「他人」と扱われる場面がある。もちろん、遺言や任意後見契約などで備えることはできる。ただ、法律の知識、費用、手続きへの心理的な負担があり、誰もが十分に準備できるわけではない。
家族との関係も一様ではない。親族に受け入れられている人もいれば、長年話していない人もいる。兄弟姉妹や甥、姪が高齢期の支援者になることもあるが、性的指向やパートナーの存在を知らなければ、いざという時に混乱が起きやすい。老後の準備は、法律だけでなく、人間関係の整理でもある。