ゲームの主導権を握ろうと、オランダは最後衛からの丁寧なビルドアップで攻撃の足がかりを探る。ボールを左右に動かしながら相手の陣形を崩そうとするその姿は、長年培われたダッチ・フットボールのDNAそのものだ。だが、モロッコの中盤が見せる連動したディフェンスは極めて強固で、ボールを奪うや否や一気に相手ゴールへと迫る。
瞬時に切り替わるトランジションの早さは世界屈指だ。オランダのディフェンス陣が一瞬バランスを崩したスキを見逃さず、モロッコのアタッカー陣がサイドを切り裂く。観客は立ち上がり、ゴール前での緊迫した攻防に息を殺した。