シリアスな終末思想や人間の内面描写を深く掘り下げるエヴァンゲリオンと、世界中へ「なかよく」のメッセージを届けるハローキティ。両者の本格的なタッグが公式にスタートしたのは、劇場版シリーズが熱を帯びていた2012年のことです。当時、サブカルチャーとファンシーキャラクターの融合は前例が少なく、業界内外に大きな驚きをもたらしました。
サンリオ側がこのコラボレーションに踏み切った最大の理由は、「誰とでもなかよくできる」というキティ本来の普遍的なブランド哲学にあります。サンリオのライセンス事業では、相手の世界観を否定せず、自らのリボンやフォルムを柔軟に調和させる独自のクリエイティブ方針が貫かれています。エヴァンゲリオンという巨大な文化的アイコンに対しても、恐怖や終末感を「愛らしさとウィット」へと昇華させる試みがなされました。
一方、エヴァンゲリオン側にとっても明確なメリットが存在しました。コアなアニメファン層だけでなく、女性層や若年層、さらにはライト層へのタッチポイントを増やす「キャラクターの日常化」が急務だった時期です。ハードな本編のトーンを崩さずに、日常で愛用できるポップなグッズ展開を実現するパートナーとして、サンリオの存在はうってつけでした。