今回の調査で中心的な役割を果たしたと見られるのが、平壌に拠点を置く「SEKスタジオ(朝鮮四月二十五日撮影所)」だ。同スタジオは高度な手描きアニメーションの技術力を持つことで知られ、かつては欧州企業の受託制作も手掛けていた。しかし、核・ミサイル開発を理由とする国際社会の制裁が強化されるなか、米国財務省などの規制対象に指定されている。
金正恩総書記の指導下にある同国にとって、高度なスキルを持つアニメーターによるデジタル制作業務は、厳重な包囲網を潜り抜けて外貨を獲得するための貴重な手段だ。一見すると政治とは無縁に見える作画作業だが、そこで生み出された労働報酬が体制の資金源へ流入しているとすれば、国際的な枠組みに対する明確な挑戦を意味する。