メンズショートツーブロックに挑戦したものの、「想像と違ってヘルメットのようになった」「サイドが傘のように浮いて扱えない」という苦い経験を持つ人は少なくありません。こうした「ツーブロック失敗の真相」を理美容理論から解剖すると、主に3つの物理的・構造的要因が浮かび上がってきます。
第一の要因は、日本人に極めて多い「側頭部(ハチ)の骨格の張り」と「硬い直毛」の相互作用です。欧米人に比べて頭骨の横幅が広いアジア人の骨格において、ハチのすぐ下まで高く刈り上げてしまうと、上から被せた硬い直毛が重力に逆らって真横に飛び出してしまいます。これがネット上で揶揄される「カッパ状態」や「サイドの浮き」の正体です。
第二の要因は、刈り上げのミリ数と被せるトップの毛量のアンバランスです。アンダーセクション(刈り上げ部分)を極端に短く(例:2mm〜3mm)したにもかかわらず、オーバーセクション(被せる毛)の長さを中途半端に残し、毛量調整(セニング)を適切に行わないと、段差が悪目立ちして繋がりのない不自然なシルエットになります。
第三の要因は、生え癖とつむじの位置を無視したカットラインです。サイドの毛流れが前方に向かって生えている場合、そのまま真下に落とす設計でカットすると毛先が浮き上がります。失敗を回避するためには、髪が乾いた状態での自然な落ち位置を見極め、場合によってはサイドの浮きを抑える「ダウンパーマ」や、グラデーションによる馴染ませ技術を取り入れる必要があります。